在宅医療のサポート
〜居宅療養管理指導と簡易懸濁法をわかりやすく解説〜
健康イベント
在宅医療の現場では、薬の服用が困難な高齢の患者さんへの対応が大きな課題となっています。嚥下機能の低下や認知症などの影響で、錠剤やカプセルを飲むことが難しい方が増えているのが現状です。
こうした中、ツカサ薬局では、地域の医療・介護関係者を対象に、「居宅療養管理指導」と「簡易懸濁法」についての勉強会を開催しました。簡易懸濁法は、薬剤を水などに溶かして飲みやすい液体で提供する方法で、服薬アドヒアランスの向上が期待できます。
当日は医師、薬剤師、ケアマネジャーなど、多職種の専門家が一堂に会し、この手技の実演やポイントについて熱心に学びました。利用者の方の服薬支援に役立つ知見を共有し合う有意義な機会となりました。
以下では、勉強会の概要をご報告いたします。在宅医療に携わる方々の参考になれば幸いです。
居宅療養管理指導とは?
要介護状態となった場合でも、利用者が可能な限り居宅で、有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士又は歯科衛生士等が、通院が困難な利用者の居宅を訪問して、心身の状況、置かれている環境等を把握し、それらを踏まえて療養上の管理及び指導を行うことにより、その者の療養生活の質の向上を図るものです。
最近始まった簡易懸濁法とは?
薬をチューブから注入する際に錠剤やカプセル剤を粉砕せず、そのまま約55℃の温湯に入れて、崩壊・懸濁させてから投与する方法です。
なお、チューブから投与する場合としては、経胃チューブ、胃瘻、腸瘻などがあります。
☆ 崩壊しにくい錠剤は軽くたたいてコーティングを破壊し、崩壊・懸濁を行いやすくする場合もあります。
在宅医療の現場では、患者さんの状態に合わせた適切な服薬管理が重要です。特に錠剤やカプセルをそのまま服用できない方への対応は、チーム医療における課題の一つとなっています。
今回ご紹介した簡易懸濁法は、そんな課題解決の一助となる手技です。ケアマネジャーの皆様、訪問看護師の皆様、介護職の皆様など、患者さんのケアに関わる方々と知識を共有し、より良い在宅医療の実現を目指していければと思います。
日々の業務でお困りのことや、服薬に関する疑問がございましたら、いつでもご相談ください。これからも現場で役立つ情報を、勉強会を通してお届けしていきます。
次回の勉強会の日程は、薬局の店頭やホームページでご案内いたします。多職種連携の輪を広げる機会として、皆様のご参加をお待ちしています。
お問い合わせ:027-219-2711(担当:南舘)